会社にバレない為の対策と法的解釈について

会社は「特別徴収(住民税を給与から天引き)」を行っているため、税額通知書の数字の差異によって副業がバレる可能性があります。そもそも副業に当たるの?回避する方法は?等の疑問を解決致します。

Lesson13副業バレでクビも!?

副業が会社にバレてクビを宣告される!?

就業規則が厳しい大手企業や公務員の場合、「副業バレ」は最も警戒せねばなりません。
副業への最新対策方法から裁判例、マイナンバー制度でどう変わる?等の気になる疑問を解決したいと思います。

何故副業がバレる?

原則として、会社は住民税を給与から天引きするという「特別徴収」というシステムを採っています。
住民税は、市区町村側へ所得の申告を行い、会社へ住民税額の通知⇒会社が雇用者へ徴収という流れになるため、通知された金額と会社で把握している額で差異が発生すると、会社側は「おかしい」となります。
これが所謂「住民税からの副業バレ」です。また、不動産管理等を自身で行っている場合などでは、非常に稀なケースではありますが、投資不動産に会社の人が住んでおり、鉢合わせになってしまう事もあります。

特別徴収時の住民税決定通知

そもそも副業に当たるのか

多くの会社の就業規則には、副業が禁止である旨が規定されているかと思われます。
副業を禁止する最も大きな要因は「本業が厳かになってしまう可能性がある」ためです。

しかしながら、副業は「本業とは別の業務によって収入を得る事」と定義されており、解釈の如何によっては副業と判断されてしまうケースもありますので、基本的には会社にはバレないように動くのが得策と言えます。

なお、パチンコや競馬で勝ったお金も本来であれば「雑所得」として申告せねばなりませんが、これを“副業”と云う会社はまずいません。
同様の理由から「株式」「FX」「不動産収入」などは許容している会社も多くなっており、それとなく上司に確認してみる・雰囲気で察知する等で動向を探ってから対策の是非を決定するのが良いでしょう。

公務員は不動産収入OK

公務員の副業は、国家公務員法及び地方公務員法で厳しく制限されています。
理由としては、国又は地方公共団体による権力で、自身に有利な私企業に便宜を図る事を防ぐためです。
しかし、国家公務員や地方公務員であっても、不動産賃貸業に関しては一定の制限の基で例外として許容されています。

ただし、賃貸収入が年間500万円以上若しくは自身で不動産管理までを行っている場合には副業の範囲を超えていると判断され懲戒を受ける可能性がありますので、収益の管理の徹底及び管理会社の介入が必須です。

副業に関する裁判例

日本は“職業選択の自由”が憲法で保障されています。
しかし、医師免許を持ってない人が医師になれない・弁護士資格がない人は裁判で代理が出来ないのと同じで、人の生命や生活に害を及ぼす危険性が高い事柄に関しては一定の規制がなされています。

同様に、企業側が誰をどのように雇用するのか、どのようなルールを設けるのかは企業側の裁量に委ねられており、規定に違反した雇用者の処分を行う事で即憲法違反となる訳ではありません。
まずは、企業と雇用者間で起こった副業に関する裁判例について確認してみましょう。

副業に当たると判断されたケース

副業と判断された例として、1957年に大阪地裁で判決が出た「永大産業事件」が有名です。
輸出合金の製造会社で雇用されていた労働者が、会社の就業時間外に別の鉄工所へ従事し副収入を得ていた事を理由として懲戒解雇処分された事を不服として裁判所に対し訴えを起こしました。

就業規則では「従業員は会社の許可がなく会社以外の業務についてはならない」を定められている事、副業として行っていた業務が長時間に及ぶものであり“会社以外の業務”と十分に認められる事、会社の業務に支障をきたす恐れがある事等を理由に会社の懲戒解雇は正当なものであると判断しました。

副業に当たらないと判断されたケース

一方で、「東京都私立大学教授事件(東京地判平成20年12月5日)」では大学側の解雇処分を無効としています。
これは、大学教授が自身の休日や夜間を使って語学講師のアルバイトをしていたとして、大学から解雇処分を受けた事例です。
裁判所は、アルバイトが本業への支障が認められない範囲で行われた事を理由に、大学側の処分は無効であると判断しました。
解雇の正当性の有無は、“本業に支障を及ぼすかどうか”がやはり大きなポイントとなるようです。

厚生労働省は副業を推奨

厚生労働省では、平成29年に閣議決定された「働き方改革実行計画」を踏まえて、副業及び兼業の普及・促進に動いています。
具体的には、同省が発表していた“モデル就業規則”に指定されていた副業禁止規定の削除、“副業や兼業を促進に関するガイドライン”のパンフレット配布等を行っています。

【参考】厚生労働省「副業・兼業の促進」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

副業が当たり前の時代となり、「副業バレ」という言葉が無くなるのもそう遠くはないかもしれませんね。

副業バレ対策と傾向

副業がバレる事を懸念するのは、不動産投資を行っている方だけではありません。
新聞配達・コンビニ・警備員・タクシー・キャバクラetc…
副業を行う方は多くいらっしゃりますが、皆様はどのように対策を行っているのでしょうか。その対策法と傾向について解説します。

普通徴収への切り替えで対策

特別徴収は強制ではありません。現に、個人事業主の方や会社以外でお勤めの方は、自身で住民税を収めているはずです。
そのため、会社にお願いし、普通徴収へ切り替えを行う事で、特別徴収から副業がバレてしまうリスクを予め防ぐことが出来ます。

副業バレ対策の確定申告書

ただし、普通徴収を希望するという事が「副業をしています」と宣言する行為に等しいため、今後目を付けられてしまう恐れがあります。
家事手伝いでちょっとした副収入がある、株を保有している為等の「言い訳」を予め考えておきましょう。

マイナンバー制度で副業対策はどう変わる?

マイナンバー制度が導入された2016年、副業を行うビジネスパーソンの間では「副業がバレるのでは」と囁かれました。
しかし、マイナンバーの制度をよくよく見てみると、会社がマイナンバーを使って独自に所得を調査出来るような制度では無い事が分かります。
つまり、マイナンバーはあくまで国・地方公共団体が個人の所得や社会保障を正確に把握する制度であるため、私企業に個人番号が周知されても副業がバレる事は無いのです。
(“個人の所得を正確に把握する”という制度の目的の一つが、このような噂を生んでしまったのかも知れません。)
ただし、近年各市区町村で「特別徴収の義務化」が精力的に行われており、自身の市区町村の制度がどうなっているかは今後もアンテナを張り続ける必要があります。

東京は特別徴収が義務化

平成29年度より、東京都23区及び39市区町村では個人住民税の特別徴収化を徹底しています。
ただし、これらはあくまで取り組みであって強制ではありません。
というよりも、寧ろ会社は元々「特別徴収」が義務となっていますので、今までよりもより指導を強化していこう!という取り組みと言えます。

しかしながら、このような情勢や指導の中で普通徴収から特別徴収に切り替える企業も多く、今まで普通徴収で対策出来ていたものが今後大きく変わる可能性がありますので、より注意する必要があるでしょう。

東京都主税局「特別徴収推進について」
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/tokubetsu/index.html

完全に隠すなら法人化

法人化し、役員報酬を“無し”に設定しておけば、個人の所得と法人の所得が完全に切り離されますので、会社にバレる可能性は皆無になります。
毎年一定の費用は掛かりますが、税金対策の面でも優遇が受けられるため、「完全なる副業バレ対策」を行うのであれば検討してみても良いかもしれません。

結 論

不動産投資はそもそも副業に当たらない可能性も。しっかりと規則を確認しましょう!
普通徴収への切り替えが王道ですが、今後厳しくなる可能性がある!
完全なる対策なら法人化を検討すべき!