水害に弱い?タワーマンションの今後と不動産投資

日本では、タワーマンションに限らず受電施設のほとんどが低層階に設置されており、今夏のような規模の洪水被害には対応できていないのが現実です。不動産投資で狙うべき物件と今後の対策を抑えておきましょう。

記憶に新しい台風19号の被害

台風の目

2019年10月に発生し、非常に強力な勢力を保ったまま日本に上陸した台風19号(ハギビス)は、関東甲信地方・静岡県・新潟県・東北地方等、広範囲にかけて甚大な被害をもたらしました。
台風発生から1週間後の10月19日には、人的被害は死者・行方不明者・負傷者含め「477人」に上り、全壊から一部破損まで含め被害にあった住家は「48,318棟」に及びました。
そのうち“床上・床下浸水”は「45,000棟」に及んでいることから見ると、水による被害が顕著な災害であったと言えます。

内閣府「令和元年台風第19号に係る被害状況」
http://www.bousai.go.jp/updates/r1typhoon19/index.html/o>

台風19号が引き起こしたタワマンの悲劇

台風19号は人にも建物にも甚大な被害をもたらしましたが、今回ご紹介したいのは、武蔵小杉で発生した「タワーマンションの水害問題」です。
1500人を超える人が暮らしていた問題のタワーマンションでは、停電によって移動手段の要であるエレベーターが止まり、追い討ちをかけるように断水で水道も使えなくなってしまいました。
幸い階段は機能していたのですが、電気もついていない階段を50階近く下りるのは非常に危険かつ体力的にも厳しいため、多くの方が仮設住宅暮らしを免れない状態になってしまったのです。

防災対策はされていたのか?

川辺に建つタワーマンション

今回被害にあったタワーマンションが防災を怠っていたのか?
と思う方も多いかもしれませんが、決してそうではありません。
管理組合によってオリジナルの防災マニュアルが用意され、水や簡易トイレを用意されていた上に警備会社からの監視も絶え間なく行われていました。
災害時には「独立した生活機能」を発揮できるような仕組みが作られていたのです。
それにも拘わらず、なぜ停電や断水が起こる事態になったのでしょうか。
それは、タワーマンションの持つ「構造」にありました。
地下施設に電気室やポンプ室があるタワマンは多く、今回水害の被害に遭った物件も同様に、地下にライフラインを管理する施設が集中していました。
地下施設で行っていた浸水対策が「土嚢や止水板が予想以上の洪水により機能しなかった」ため、停電や断水が起こってしまったのです。

タワマンのメリットと脆弱性

日本でも多く発生する「地震」ですが、タワーマンションでは“免震”や“制振構造”などの対策が施されており、災害に弱いというわけではありません。
セキュリティ面でも非常に優れており、むしろ通常のマンションに比べて安全性は高いと言えるでしょう。
しかしながら、地震大国であるせいか、まず優先されているのが地震対策となり、水害対策はどうしても後手に回されがちです。
今後水害対策が見直されていくことは間違いありませんが、現状は「高層階に電気等の重要施設があるタワマンを選ぶ」という選択肢がベターかもしれません。

見通しが甘かった防災マニュアル

並べられた防災グッズ

設備だけでなく、台風発生時のマニュアル行動に対しても脆弱性は見受けられました。
近頃の台風観測精度は非常に発達しているので、数日前にはどのくらいの規模が予想される台風がどのルートを通るのか知ることができます。
また、内閣府や都道府県では適宜防災情報を発信しておりますので、必ずチェックするようにしてください。

東京都防災ホームページ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/

また、台風が来るとわかった際には
車を地上に出す
事前に土嚢や止水板の設置を行う
など、マンション全体で取り組む防衛対策マニュアルも非常に重要です。
今回の台風ではタワマンの被害に多くのフォーカスが当てられましたが、水害はタワーマンションだけに起こるものではありません。
共同住宅にお住まいの方は今一度住んでいる場所の洪水対策や変電設備に関して注意を向けてみてはいかがでしょうか。