賃貸併用住宅なら住宅ローンも可!お得な転用方法をご紹介

まずは自身の居住用として購入し、その後収益用物件に転用してしまえば低い金利で借り入れを興す事が可能です。不動産投資でも使える住宅ローンの活用術と転用方法について解説します。

不動産投資で住宅ローンは使えるのか?

住宅ローンを使って不動産投資

不動産投資会社を通して収益用物件を購入する場合、そのほとんどで“アパートローン”“プロパーローン(事業用ローン)”が用いられます。低金利が続く昨今ですが2~3%とまだまだ高くなっており、有利に不動産投資を進めるにはより好条件で借入を興す必要があります。当ページでは金利を下げる手法の一つである「住宅ローンの転用」について、メリット・デメリットを交えながら解説していきたいと思います。

住宅ローンとは

住宅ローンとは、文字通り“居住用家屋”を対象としたローンで、本人やその家族が済むための家を購入又は改築・増築するための融資の事を言います。30年~35年という長期スパンでの返済になるため金利が低いという特徴があり、“実需(自分で使用する物の事)”であることから債務不履行に陥り辛く、審査に通りやすいという利点があります。

住宅ローンを使うメリット

前述した通り、

・金利が安い(0.5~1.5%)
・税制優遇を受けられる
・審査に通りやすい

というメリットがあります。特に金利は変動で0.5%前後、固定でも1.5%前後(フラット35)を推移しており、通常の不動産ローンの1/2~1/6となる計算です。キャッシュフローを如何に多く残すかが不動産投資で成功するカギになりますので、言うまでもありませんが利率は低ければ低いほど有利です。

転用は原則禁止

住宅ローンは居住用家屋を対象とした融資であり、当然ですが使途以外の利用は規約で禁止されています。しかしながら、転勤や入院といった特殊な事情があり、一時的に家を第三者に貸し出すのは黙認されているのが現実です。また、融資機関も貸出後に返済が滞るような事情が無い限りは当該不動産に居住しているかどうかの確認は行わないので、事実上この規約は形骸化していると言わざるを得ません。したがって、事実上住宅ローンを不動産投資用として利用する事は可能です。

住宅ローンの要件とデメリット

正に“良いこと尽くし”の住宅ローンですが、メリットだけではなくデメリットも存在しています。住宅ローンを利用するための要件やデメリットについても予め確認しておきましょう。

利用するための要件

住宅ローンを組むためには、購入する家屋が以下の要件を満たしている必要があります。

①本人やその家族の居住を目的とした土地又は家屋であること
②延べ床面積がマンションの場合30㎡以上・一戸建ての場合70㎡以上あること
③購入価額が1億円以下(消費税を含みます。)の住宅であること
④店舗付き住宅などの併用住宅の場合は、住宅部分の床面積が非住宅部分(店舗、事務所など)の床面積以上であること

ご覧頂くと分かる通り、マンションの場合は30㎡以上である事が求められ、原則としてワンルームマンションを購入する事が出来ません。また、税制優遇(住宅ローン控除や取得時の税金控除等)を受ける際の対象のほとんどが「延べ床面積50㎡以上」という要件が付されており、小規模な不動産投資用家屋に利用しても恩恵は少ないです。

デメリットについて

住宅ローンを利用するデメリットとしては、

・限られた物件にしか使えない
・フルローンを組めないケースがある(土地+建物で1憶円超の場合等)
・契約違反として解除される恐れがある

まず、何よりもファミリータイプの物件でしか使えないのは大きなデメリットです。そのため、ワンルームマンションやテナント物件を狙っている場合には事実上利用が出来ません。また、利用金額は1憶円以下となっているため、都内の土地+建物といったアパート物件でも足が出てしまう可能性があります。さらに、あくまでも居住用家屋のためのローンですので、転用の事実がバレてしまうと契約に違反したとして解除されてしまう恐れもあります。

ヤドカリ投資法とは

このままでは非常に使い勝手が悪い住宅ローンですが、一定の要件をクリアする事で低金利かつ税制面を最大限に享受する事が出来ます。それが後述する「ヤドカリ投資法」と呼ばれる手法です。まずは自身の居住用家屋として住宅ローンを組み、その後収益用物件へと転用する不動産投資方法で、家を転々とする事からその名が付けられました。この方法を用いる事で低い金利で確実な資産形成が行え、キャッシュフローが何よりも重要な不動産投資開始時に予備資金を蓄える事を可能にします。具体的な方法やリスクは以下の通りです。

家屋を移りながら資産形成

前述した要件の1つ(④)に「店舗付き住宅などの併用住宅の場合は、住宅部分の床面積が非住宅部分の床面積以上」という文言があります。これは言い換えれば全体の50%に満たない箇所については収益用として利用出来るという事を意味します。しかしながら、入居者と同居する訳には行きませんので、居住用+収益用を分けた物件(賃貸併用住宅)を購入もしくは新たに建てる必要があります。例えば、1階をテナントにし2階より上を自宅にする、アパートの1室を居住用としその他を貸し出す、といった具合です。

賃貸併用住宅の図

資産が増えてきたら「別の居住用不動産を建てる又は購入する」といった形で更に住宅ローンを組み、元住んでいた物件は売却又は賃貸運用で、正に“ヤドカリ”のように徐々に資産を増やしてゆくのです。

リスク&デメリット

完全なる居住用の場合に比べて審査は非常に厳しくなり、金融機関によっては完全なる門前払いを受ける可能性もあります。また、銀行によっては「セカンド住宅」として認めている場合もありますが、二重で住宅ローンを受けるのは原則として不可です。そのため、新たに不動産を購入する際には元の住宅ローンをアパートローン等へと変更する必要がありますが、これに対応していない金融機関も多いです。必ず地元銀行としっかりと協議を行った上で検討するようにしてください。

住宅ローンの転用「まとめ」

住宅ローンの転用により不動産投資を行う利用条件やメリット・デメリットをまとめますと、以下の通りとなります。

利用条件 ・本人やその家族が住む家である
・一定の延べ床面積がある(マンション30㎡以上・一戸建て70㎡以上)
・購入価額が消費税を含め1億円以下
メリット ・事業用ローンと比べて1/2~1/6の金利
・多くの税控除が受けられる
・実需のため審査に通りやすい
デメリット ・利用出来る物件は一部
・契約違反として後々トラブルになる可能性も

“ヤドカリ投資法”という手法もありますが、「賃貸併用住宅」という特殊なケースであるため、初めての不動産投資ではお奨めは出来ません。“店舗付きのテナントを運用してみたい”“半数以上を家族で利用するアパートを建てたい”と言った特段の事情がある場合を除き、収益性が高い不動産投資は言えないでしょう。検討の際は事前に不動産投資会社へ相談し、しっかりと事業計画を立てる事をお奨め致します。

結 論

住宅ローンの転用は数倍安い金利で借り入れが出来る
ヤドカリ投資法は限定的だがマッチすると大きな収益を生み出す
住宅ローンから事業用への変更が難しいケースがある