残存年数ゼロがNGな理由とは~節税目的で始める不動産投資

お得に不動産投資を行う上で知っておくべき税金や控除等の知識をまとめたページです。経費として最も額が大きい“減価償却費”により、どのくらいの節税が生まれるのか?実際に計算した上で分かりやすく解説致します。

Merit3不動産投資が節税になる?

不動産投資で節税

個人的に最も理解するのに時間を要したのが税金に関する事項です。
減価償却?住民税?譲渡所得?種類が非常に多い上に聞きなれない言葉が並んでいますので、理解に多くの時間が掛かってしまいます。
当ページでは「税金」に纏わる全ての事柄について出来るだけかみ砕いて説明して行きたいと思います。

最低限知っていればOK!

まず初めにお伝えしておきたいのが、“餅は餅屋”という諺があるように、専門分野は専門家に任せ、無理に全てを覚える必要性は無いという事です。
特に不動産に関してはその道の専門家である不動産投資会社が数多く存在している事もあり、安心して任せてしまって問題ありません。
ただし、不動産投資を知る上で言葉の意味が分からないと理解に時間が掛かってしまう可能性がありますので、「こんな税金があるのか!」程度に知っておいても決して損はありません。
最低限知っておくべき知識のみ押さえておきましょう。

不動産投資に纏わる税金

不動産投資関連の税金について知る

不動産は取得時から売却時、年間を通して掛かるもの等、様々な税金が掛かります。
“税金の名称”“どんな時に掛かるのか”等をまとめましたので、分からない税金があればこちらをご確認ください。

取得又は売却時に掛かる税金

まずは不動産を取得(購入)した際に掛かる税金をご紹介します。

印紙税

売買契約書に貼付する事によって納付する税金です。1千万円~5千万円以下の場合だと本則税率(通常の税率)は2万円となっていますが、平成30年4月に軽減税率の延長が国税庁より発表されましたので、平成32年3月31日までは1万円にまで下がります。
なお、印紙税は売買金額によって変動しますので、購入前にきちんと確認しておきましょう。

国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

登録免許税

不動産を取得した場合、登記簿上の名義変更手続きを行わなければなりません。
売買によって取得した場合、“評価額”の1,000分の20(土地・家屋共通)が掛かります。なお、評価額とは市区町村で管理する固定資産課税台帳の価格の事です。

例)販売価格3,500万円・評価額2,700万円の場合
2,700万円 × (1,000分の20) = 54万円

不動産取得税

「評価額 × 4% = 不動産取得税」です。
ただし、軽減税率等が適用される事がほとんどですので、実際にはこれよりも低くなります。
家屋の構造、年式、大きさ等によって異なるため、購入前に予め確認しておきましょう。
取得後6か月~1年程で市区町村役場から納税通知書が届きますのでそちらを使用して納付すればOKです。

譲渡所得税

こちらは売却の際に掛かる税金です。
長期譲渡所得か短期譲渡所得かで適用される税率が変わりますが原則として以下の計算式になります。

計算式

譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 控除額 = 課税譲渡所得金額

税率
区分 所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

※保有期間が5年以上で「長期譲渡所得」が適用されます。

毎年掛かる税金

固定資産税及び都市計画税が市区町村より毎年課せられます。

【固定資産税】… 評価額 × 1.4%
【都市計画税】… 評価額 × 0.3%
※市区町村によって異なります。

評価額は原則として毎年下がっていきますので、初年度が最も高く、徐々に下がっていきます。

不動産投資でどのような節税になる?

不動産投資の節税を説明する男性

さて、ここからが本題です。サラリーマンの方が副業として始めた場合、一体どのような節税効果があるのか、一つずつ確認して行きたいと思います。

購入初年度は大きな節税が見込める

不動産を購入する際、大抵の場合は登録免許税・仲介手数料といった大きな費用が発生しますので、これらを費用として計上する事で大きな節税が狙えます。
その後は、固定資産税やローンの金利、保険料や修繕費・管理費といった固定で掛かる費用を計上する事で節税していく事になりますが、特に費用として大きいものが「減価償却費」です。

減価償却費とは?

税法では、一定以上の価額のものを購入した際は、複数年に亘って償却(経費計上)しなければならないというルールがあります。
(※利益が出た際に高額な買い物をする事で調整されてしまう事を防ぐためです。)
物にはそれぞれに“耐用年数”が設定されており、当該年数を基に償却率が定められます。
そして、この償却率に応じて算出された1年辺りの費用を「減価償却費」と言います。

減価償却費の計算方法

取得価額 ÷ 耐用年数 = 1年辺りの減価償却費
※定額法の場合

となります。
つまり、例えば不動産の価額3,000万円で新築かつ鉄骨鉄筋コンクリート造で合った場合(耐用年数47年)には、

3,000万円 ÷ 47年 = 1年辺りの減価償却費は638,297円

という計算になります。

中古不動産は「残存年数」に注目

耐用年数が満了すると帳簿上の価額がゼロ(実務上は1円)となり、その後は減価償却費の計上が出来なくなります。
したがって、中古不動産を取得する場合にはどのくらいの残存年数があるのかをしっかりと確認し、出来れば5年以上(長期譲渡所得が適用されるため)残っている物件を選ぶようにしましょう。

東京主税局「償却資産の評価に用いる耐用年数」
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/taiyo_nensu.html

セールストークは嘘?

所得税や法人税は利益に応じて課される税金であるため、残念ながら不動産投資を行う事で直接的に税金が安くなるという事はありません。
寧ろ良物件により安定したインカムゲインを得る事で年収が上がりますので、支払う税金の総額は高くなります。
つまり、はっきり言って不動産営業のテンプレセールストークである“節税効果”については「薄い」と言わざるを得ません。

もちろん、不動産投資が赤字なのであれば毎年の節税に繋がるため決して嘘とは言えませんが、赤字を狙って投資を始める方はいらっしゃらないかと思います。
税金を支払っているという事は良物件へ投資出来ている事を意味しますので、「税金を多く支払う=それだけ儲かっている」と前向きに捉えましょう。

税金を安く抑える投資を

現在支払っている税金を直接的に下げる事は難しいですが、経費や対策によって毎年の税金を安く抑える事は可能であり、不動産投資会社の腕の見せ所でもあります。
年間の税金を10万円抑える事が出来れば20年間で200万円の節税であり、より大きな手取を得る事が出来ます。不動産投資会社を決める際、「どのくらい節税に強いのか」という観点で選らんでみても面白いかもしれません。

結 論

年収が上がるため、実際は節税効果が薄い
対策によって毎年の税金を安く抑える事は可能
中古物件を選ぶ際は「残存年数」に注意!