契約時の注意点と法的な効力まとめ~最低限知っておくべき契約知識

不動産取得時には売買契約、不動産投資会社と契約する際には管理委託契約、入居者が決まった時は賃貸契約といったように、不動産投資には数々の契約がつきものです。一般的に締結が見込まれる契約についてまとめました。

各種契約の基礎知識

不動産契約が無事結ばれた様子

不動産を購入し、運用する場合、様々なシーンで“契約”を結ばねばなりません。不動産オーナーとして最低限知っておきたい契約のルールと性質について解説します。

契約とは

契約とは、個人又は法人が当事者となり、お互いの意思表示が合致する事によって成立する“約束”の事です。日本の民法では、両者の意思が合致しただけで契約が成立する“意思主義”を採用しているので、契約書等が無い口約束等であっても、契約として有効になるのです。

契約書が必要な理由

口約束でも契約として有効であるのにも関わらず、何故契約書を作成する必要があるのでしょうか。全ての人が約束を守り道徳を重んじる人であれば、はっきり言って契約書は要りませんし、そもそも法律すら不要です。しかしながら、不動産の取引に於いては契約上のトラブルが非常に多く、場合によっては裁判にまで発展する事も珍しくありません。「言った」「言わない」の水掛け論になってしまう事を防ぐためにも、契約書は全ての契約で作成するのが原則です。

一方が明らかに有利な規定は無効

民法上、明らかに不利な契約は無効となります。例えば、入居者との賃貸借契約に於いて“貸主はいつでも無条件に契約を解除出来る”といった条項があれば、借地借家法・民法の規定に反し無効となります。これを「強行規定」と言います。契約の自治を広く認めている日本ではありますが、余りにも有利な契約は自らの首を絞める事になりかねません。

ひな形をそのまま使うのは×

ネット上には「不動産売買契約」「不動産媒介契約」「不動産賃貸契約」といった多くの不動産取引に関する契約書フォーマットが落ちています。これらはあくまで汎用性を重視した“ひな形”に過ぎず、内容と実態が大きくかけ離れているため、そのまま使用するのは絶対にNGです。仲介業者やプロへ委託する場合は先方が契約書を用意してくれるため大きな問題が起き辛いですが、私人間で契約を結ぶ場合には必ず専門家(弁護士や不動産会社等)に目を通して貰いましょう。

購入から運用時に締結する契約

不動産を購入した際に行う契約をチェック

不動産投資では、不動産取得から運用に際して様々な契約を締結します。具体的には、以下の契約を締結する事が考えられます。

取得時までの主な契約

不動産を取得する場合、仲介業者を挟むか否かで大きく変わります。物件に目星を付け、取り扱いのある不動産会社に連絡を入れ、不動産媒介契約⇒金銭消費貸借契約⇒売買契約という流れを汲むのが一般的です。

不動産媒介契約

“媒介”は、不動産取引で良く用いられる用語で、常用語ですと“仲介”とほぼ同義です。売主との間に入り、売買契約までの段取りや様々な手配を行います。媒介契約には専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種がありますが、あくまで仲介業者と売主との契約内容になりますので、買主側は特段気にする必要はありません。

金銭消費貸借契約

金銭消費貸借契約とは、所謂“ローン契約”です。せっかく物件が見つかっても銀行や信用金庫からの融資が下りなければ意味がありませんので、売買契約の前に融資先を決めておく必要があります。なお、銀行側が保証人を求めて来た場合、銀行と保証人となる方の間で別途「保証契約」を締結します。

売買契約

銀行との契約がまとまりましたら、いよいよ不動産の売買契約です。銀行からの決済よりも前に契約だけ済ませておき、決済当日に売主買主が一堂に会し、登記書類の受け渡しや登記関係書類に押印するのが一般的です。

不動産取得後の契約

不動産投資会社を通す場合は不要になりますが、自身で管理会社を決める際には管理委託契約の締結、管理までを自身で行うのであれば賃貸借契約を締結する必要があります。

管理委託契約

文字通り、管理の委託に関する契約になります。契約期間や、管理の内容(保守、点検、入居者募集等)、委託費等を確認するための契約です。基本的には管理会社側が用意してくれますが、必ず全文を確認し、気になる点がありましたら訂正を依頼しましょう。

賃貸借契約

入居が決まると、オーナーと借主で「賃貸借契約」を締結します。管理会社や不動産会社が仲介する場合には借主側に会う事は無く、書類も郵送でやり取りしてしまう事がほとんどです。基本的には不動産会社の方でひな形を用意してくれますので、特別な契約でない限りは特に修正する必要もありません。

その他の契約

上記の他、運用していく上で様々な契約を締結します。具体的には、保険関係の他、民泊を行うのであれば代行会社への委託契約、生活設備に関する契約、リフォーム契約といった契約が考えられます。

各種保険契約

火災保険・地震保険等に加入する場合に締結します。基本的に保険会社が全て段取りしてくれますので問題ありませんが、保障内容についてはしっかりと確認しておきましょう。

不動産投資を行う場合の典型的な契約内容についてご紹介させて頂きましたが、これらはあくまで一例であり、上記の限りではありません。基本的には自身で締結可否の判断をする必要がありますが、不動産投資会社や管理会社へ委託する事で代行してくれる契約も相当数存在しています。自身で行うのが難しい場合には、無理せず委託してしまうのも手です。

結 論

ひな形をそのまま使うのはNG!必ず専門家のチェックを受けるようにしましょう
借地借家法は借主有利のため契約が無効になる事も
難しいと感じたら無理せず専門家に依頼しましょう