大規模修繕は行うべき?各設備の耐用年数とは

不動産には「耐用年数」というものがあり、定期的にメンテナンスを行わないとボロボロになっていまいます。各設備の交換時期の大まか目安についてまとめましたので、修繕時期の参考にしてみて下さい。

メンテナンスの時期について

メンテナンスのイメージ画像

物には全て「耐用年数」というものがあります。もちろん、耐用年数5年と言われているものが10年20年持つことも充分に考えられますが、不動産オーナーとなる以上、耐用年数をしっかりと守り、必要な設備については常時メンテナンスしていく必要があります。建物に関する諸所の設備の耐用年数・メンテナンス時期・交換コスト等についてまとめました。

各設備の耐用年数

建物に使用されている設備や材料(建材)の耐用年数の目安は以下の通りです。国税庁で発表されているものに関してはその年数を、記載の無いものに関しては大まかな目安を表記しています。所有する家屋の仕様書記載の情報と照らし合わせ、メンテンナンス周期を予め確認しておきましょう。

外壁
材質 耐用年数 メンテナンス周期
タイル 40年 原則不要
樹脂系 10年
木質系 12年
金属系 15年
コンクリート 60年 20年
防水加工
材質 耐用年数 メンテナンス周期
FRP防水 10年 10~15年程度
ウレタン防水 12年
アスファルト 20年
屋根
材質 耐用年数 メンテナンス周期
トタン 15年 10~15年程度
スレート 20年
銅板 30年
40年
その他生活設備
材質 耐用年数 メンテナンス周期
給排水・衛生設備 15年 1~2年毎にチェックし、劣化した箇所については都度交換
ガス設備 6年
電気設備 (蓄電池電源設備)6年
(その他のもの)15年

大規模修繕は10~15年が目安

マンションの場合は原則として、内装や出入り口周辺のみの比較的軽微なメンテナンスで済みますが、アパートの場合は建物全体を修繕する必要があります。建物の外壁や屋上の防水、建物の傷んでいる箇所全てを見直すような大きなメンテナンスを“大規模修繕”と言います。期間は1~2か月、費用は数百万円に及びますので、事前にしっかりと計画を立てた上で行う必要があるでしょう。

マンションは内装のみでOK

マンションの場合、10~15年を目安に大規模な修繕を行っていますが。毎月の管理積立金を支払うだけで、オーナー側が特に何かを手配する必要はありません。ご自身が有している専有部分の内装のみ気を遣っていればOKです。ただし、修繕に時期については注意が必要です。マンションは管理組合の決議によって大規模修繕の決定を行いますので、多くのオーナーの同意(厳密には区分所有者及び議決権の各3/4以上の賛成)が必要です。そのため、意見がまとまらないと5年10年先延ばしになってしまう事もあり、募集要項にその旨を記載すべきなのか否かの判断が難しい場合があります。また、修繕中は非常に大きな音と不特定多数の方(作業スタッフ等)が出入りしますので、募集を出しても入居者が集まり辛いという点にも注意が必要です。

大規模修繕は行うべきか

修繕工事を行うビル

大規模修繕は、法律上必ず行わなければならないものではありません。そのため、オーナーの判断によっては軽微な補修・保全のみに留めておくというケースも多く存在しています。中には「大規模な修繕は行わない方が良い」と断言する専門家の方もいらっしゃり、一体どうすれば良いのかと悩むオーナー様も多いのでは無いでしょうか。大規模修繕を行った場合のメリットと、行わなかった場合のメリットについて比較してみました。

大規模修繕のメリット

建築技術が向上した事で、工事内容によっては新築と見違える程の仕上がりになります。入居率アップ・賃料値上げといった効果が期待出来ますので、利回り・キャッシュフローの底上げに繋がります。また、修繕費は経費として計上出来るため、毎年の税金を安く抑える事が出来るというメリットもあります。(※資産計上した場合は節税効果が無い点に注意!

大規模修繕のデメリット

大規模修繕のデメリットは、何と言ってもそのコストにあります。材料費・工事費・紹介料といった様々な費用が発生しますので、内容によっては利益の数年分が一気に無くなってしまう事も珍しくありません。また、前項でも軽く触れましたが、大規模修繕を行っている間は入居が決まり辛いというデメリットもあります。更に、既存の入居者も工事の騒音に耐え切れずに退去してしまう、クレームが入ってしまうといったリスクも考えられます。

コストを抑える方法

大規模修繕のコストは、大きく下がる可能性があります。大規模修繕工事を“管理会社へ丸投げ”しているオーナーがほとんどであり、施工会社側の「言い値」で工事を依頼してしまっているケースを良く目にします。つまり、施工会社同士の“競争原理が働いていない状況で工事を受注している事”が建築コストを高くしてしまっている大きな要因なのです。さらに、悪質なケースだと不動産管理会社と施工会社が裏で結託し、相場よりも20%前後高い工事代金を請求し、キックバックを受けている事もあります。

コストを見て判断するのが正解

リスクが高い大規模修繕ですが、ボロボロの状態ですと入居率が下がり利益を大きく減らしてしまうため、可能な限り行うべきなのは言うまでもありません。基本中の基本として、まずは実際にどのくらいのコストで修繕が可能なのかを調査しましょう。その際、管理会社だけに任せるのではなく、いくつかの施工会社・他の管理会社等にも相談し、その全てで見積りを取るようにして下さい。さらに、修繕後にいくら家賃を上げる事が可能か、どのくらいのキャピタルゲインを得られるのかをしっかりとシミュレーションし、採算が取れると判断した際にのみ行うのがベターです。「しない方が良い」と割り切るのではなく、コストと収益のバランスをしっかりと見ながら最終的な判断を行うのが最も堅実な立ち回りであると言えるでしょう。

結 論

修繕は義務ではないが行うのが望ましい
資産計上すると経費化出来ない点に注意
信頼出来る不動産投資会社出ない限り、丸投げは×