新築物件と中古物件の決済・引渡しの違いとは

新築の場合まだ建物が完成していないので、引渡しという概念がありません。一方、中古物件の場合、既に建物が存在しているため、銀行からの融資が下りる日に引渡しという流れをとるのが一般的です。

不動産投資に於ける決済とは

不動産投資の決済に関する疑問を解決

様々なシーンで使われる「決済」という言葉ですが、不動産取引に於ける決済は“銀行融資が実行される日”を指すのが一般的です。決済当日の流れについて解説致します。

決済は原則午前中

金銭消費貸借契約(ローン契約)及び売買契約が終りますと、いよいよ銀行からの入金があります。①口座に振り込まれたお金を直接売主へと振り込む、②銀行から引き出し現金で支払い、というパターンがありますが、ほとんどは①の現金の移動が伴わない決済になります。流れとしては、銀行から買主へ送金⇒売主へ売買代金の支払い⇒(ローン残債がある場合)買主から銀行への弁済⇒抵当権抹消及び証有権移転登記⇒引渡しになります。

その日の内に登記

日本の民法ですと意思の合致さえあれば契約が成立しますので、登記は法律上必ずしなければならないものではありません。しかし、登記をしておかないと第三者に所有権を主張された場合に、自分が所有者である旨を主張出来なくなってしまう可能性がありますので、実務上ほぼ100%登記を行います。悪意のある第三者(詐欺師・地面師等)からの詐害リスクを極力減らすため、銀行の実行日(決済日)に必ず行うのが慣例です。

用意するもの

決済日に必要なものとして、以下の書類又は物が必要になります。

【必ず用意するもの】

認印又は実印

契約書類には全て実印を用いるのが一般的ですが、既に契約に押印済みの事がほとんどですので、認印でも良い場合があります。また、登記書類(所有権移転)に使用する印鑑は、買主側は認印で差し支えありません。ただし、銀行によっては決済当日に別の書類への押印を求める場合がございますので、実印又は認印の別については事前にご確認下さい。

本人確認書類

詐欺師や地面師が本人に成り代わって契約を行っている可能性があるため、運転免許証やパスポートで身分確認を行います。顔写真つきのものであれば左記のいずれかがあれば問題無いですが、もしお持ちでない場合は担当者へご確認下さい。

住民票

所有権移転登記の際に必ず必要になりますが、事前に司法書士又は不動産会社へ提出している場合は当日に改めて用意しなくても結構です。

【用意を求められる可能性があるもの】

振込口座の通帳及び銀行印

決済代金は各々の口座を通しますので、通帳と印鑑を用意するのが一般的です。ただし、必ずしも必要となるわけではありません。事前に確認しておきましょう。

印鑑証明書

所有権移転登記には不要ですが、銀行へ提出しなければなりません。ただし、事前に提出しているケースがほとんどですので、決済当日にお持ち頂く事はほとんどありません。

注文住宅の場合(着工)

注文住宅の場合の決算は?

注文住宅の場合は、未だ建物が無い常態ですので、引渡しや登記といった概念がありません。ただし、着工前に施行会社へ代金を支払うことがあり、銀行から事前に金銭を受け取るケースがあります。

流れは中古不動産取引とほぼ同じ

①決済⇒②土地取得⇒③着工⇒④建物完成⇒⑤引渡し及び登記
という流れになります。基本的には②⇒③も即行うのが一般的ですが、建物が無い状態ですと銀行も建物分に関しては無担保の状態になってしまいますので、決済を二度に分ける事もあります。

新築は登記が多い

新築物件(注文住宅)の場合、中古物件に比べて登記が多くなっています。

①所有権移転登記(土地)
②土地への抵当権設定登記
③表題登記
④所有権保存登記(建物)
⑤建物への抵当権設定登記

③は、新築建物が完成した際に行わなければならない登記(表題)です。建物の大きさや階数といった、登記簿のラベル的な役割を果たしています。権利に掛かるものに関しては、その下の“乙区”という欄を使用します。

不動産登記の見本

また、中古物件との違いとして、建物への抵当権設定(⑤)がある点が挙げられます。完成予定の建物であっても未だ存在していない建物へは抵当権を付ける事が出来ませんので、建物が完成してから改めて抵当権を設定し、融資を実行します。

建物の引渡しで完了

不動産契約のほとんどは“代金支払い時に所有権が移転する”という特約を付けています。そのため、「建物の引渡し」は、決済日に実際に鍵を渡す事によって完了するのが慣例です。新築の場合は引渡しによって請負契約が完遂しますので、施行会社との間で「引渡し書」を作成し、記名押印することによって引渡しが完了します。

結 論

決済当日は大忙し!事前にしっかりと準備を
注文住宅と中古物件で手続きは大きく異なる
引渡しは鍵の受け取り又は引渡し書への押印で完了