良物件を見抜くポイント|「NOI利回り」の重要性

収益の指標となる「利回り」には様々な種類があります。不動産投資に於いて最も重要となるのはどの種類なのか、各々の計算方法、物件を選ぶ際のポイント等についてまとめました。

Lesson1不動産投資の仕組み

不動産投資の仕組み

不動産投資とは、居住用不動産とは別の物件を取得し第三者(入居者)からの家賃収入を得つつ、毎月の返済と収入の差額で利益を得る投資手法です。
不動産投資には、

①家賃収入(運用収益)で利益を得る“インカムゲイン方式
②物件転売(売却収益)で利益を得る“キャピタルゲイン方式

の2つがありますが、会社員の副業でも取り組み可能な「①インカムゲイン方式」を軸に解説をしていきたいと思います。

イールドギャップとは?

イールドギャップとは、物件の利回りとローン金利の“差額”を指します。
ほとんどのサラリーマンは銀行融資(長期ローン)を受けて投資用不動産を取得する事になりますが、この借入金に掛かる年利と利回りの差(ギャップ)が、不動産投資で得られる利益になります。
詳しい利回り計算式は後述しますが、例えば“利回り7%・年利2.5%”のケースでは、”イールドギャップ=4.5%”という事になります。

NOIとは?

NOI(Net Operating Income)とは、物件から得られた家賃収入から経費を引いて算出した収益を指し、営業純利益と呼ばれる事もあります。

収益(実際の家賃収入)- 運営費(固定資産税・管理費等)= 営業純利益(NOI)

このように、NOIは減価償却費や利息、修繕費等を控除する前の収益です。
満室時の賃料では無く空室時の損失も計上した上で算出される数字であるため、実質的な利回りを計算するのに適しており、物件の収益力を示す判断ポイントの1つと言えます。

【例】賃料月20万円・空室率10%・運営費が月5万円(※固定資産税含む)の場合
(年間の家賃収入)240万円-(空室率)24万円-(運営費)60万円=156万円
NOIは156万円となる。

利回り基礎知識!概要・計算方法・種類

利回り(年利)の計算方法

利回り(年利回り)とは、投資対象となる商品や物件が年間どのくらいの利益が出るかを表わした数字や割合の事を言います。
不動産のみならず債権・株といった多くの投資で用いられる指標であり、利回りが高い=儲けが大きい投資商品という認識で差し支えありません。利回りにはいくつか種類があり各々特徴がありますので、計算式やそれぞれの特性について予め知っておきましょう。

表面利回りの計算式と特徴

(年間家賃収入 ÷ 不動産取得価格)× 100

上記計算式で算出された利回りを「表面利回り」と言います。
最もオーソドックスな利回りで、高い数値が出やすい計算方法です。
大まかな利益を計算する時に便利ですが、“年間家賃収入”は満室である事を想定し算出するため、実際には当該数値よりも割合は下がります。

実質利回りの計算式と特徴

(年間家賃収入 - 総費用)÷ 不動産取得価格

実質利回りは、年間の家賃収入から実際に掛かった費用を引いて算出した「純利益」を、物件取得価格で割った数値です。
実際の利益を基に算出しますので、よりリアルな収益をイメージ出来ます。
ただし、年間家賃収入は満室時の家賃収入を想定していますので、実際の利回りは下がる可能性が十分に考えられます。

NOI利回り(キャップレート)

簿価NOI利回り:NOI ÷ 不動産取得価格 × 100
時価NOI利回り:NOI ÷ 期末の不動産簿価 × 100

NOI利回りは、年換算したNOI(営業純利益)を不動産の取得価格又は期末時の簿価で割って算出する利回りで、「キャップレート」とも呼ばれます。
表面利回り及び実質利回りは「満室時の家賃収入」を想定した利回りなのに対し、キャップレートは空室率を含めて計算がなされるため、より実態に近い収益が導き出せます。

実際に“利回り”を計算してみましょう!

利回り(年利)を試算する男性

実際に、上記3つの計算式を使って利回りをシミュレーションしてみたいと思います。

物件の条件
不動産の取得価格 3,000万円
月の家賃収入 15万円
空室率 10%
運営費(年間)
※修繕費・保険料含む
35万円
固定資産税
※取得価格の70%
標準税率1.4%と仮定
34万3,000円
利息(年利) 2%
表面利回りの例

【年間家賃収入】180万円 ÷【不動産取得価格】3,000万円 × 100 = 6.0%
表面利回りは6.0%という事になります。

実質利回りの例

(【年間家賃収入】180万円 -【総費用】69万3,000円 )÷ 【不動産取得価格】3,000万円 = 3.69%
実質利回りは3.69%となります。

NOI利回りの例

【家賃収入】180万円 - 【空室率】18万円 ―【運営費】69万3,000円 = 92万7,000円
NOIは92万7,000円になります。

【NOI】92万7,000円 ÷【不動産取得価格】3,000万円 × 100 = 3.09%
NOI利回りは3.09%という事になります。

利回りの種類は必ず確認!

このように、「利回り」という言葉には多くの種類があり、どの計算を用いるかによって最終的な利益率は大きく異なります。
そのため、「この物件は利回り10%ですので、とてもいい物件です!」とだけ説明されても、それが表面なのか、実質なのか、NOIなのかで全く別物になってしまうのです。
現在、長期借入時の金利は2~4%が相場となっているため、イールドギャップを考えますと、NOI利回り3%以下ではほぼ利益が出ないか、赤字になってしまいます。
不動産投資を行う場合には、「利回り」の種類はしっかりと確認するように心がけましょう。

結 論

利回りには複数種類がありそれぞれ特徴がある!
NOI利回りが投資を行う上では重要!
実際にシミュレーションしてみるのが大事!