デフレで家賃下落は実際に起こる?~不動産投資リスク解説

デフレ(物価下落)に伴い家賃は下がっていってしまうのか?金融政策が不動産投資に及ぼす影響についてデータを基に解説します。また、過去の住宅ローンを参考に金利上昇率も併せてご紹介しています。

Risk4不動産投資はデフレに弱い?

デフレ時代の不動産投資

デフレーション(Deflation)とは、物価が下落してく経済状況の事を言います。
物価が下がる事で賃金の下落⇒購買意欲の減少⇒更なる物価下落(デフレスパイラル)を招くため、デフレ時=不景気という意味で用いられる事が多くなっています。
デフレとインフレを繰り返している日本の不動産投資において、物件の価額や家賃はどのような影響を受けるのでしょうか?
考えられるリスクとその傾向について解説します。

金利はどう変化する?

金利は、主に日本銀行の金融政策によって決まります。
国内の紙幣流通量を上げる事で通貨価値を下げ、物価の上昇・インフレを図り、下げる事で通貨価値を上げ物価の下落(デフレ)を図るといった措置を講じ、日本の経済バランスを調整しています。
つまり、デフレ時は金融緩和によってより金利が安くなり、寧ろ安く不動産投資を行うチャンスであると言えるのです。
また、万が一の急上昇に備えて、固定金利にしておく又はCDS(損失補償)が付いた金融商品を併せて購入しておくという手もあります。

現物思考も高まる

紙幣価値が不安定になる事で、金やプラチナといった貴金属や不動産といった所謂「現物投資」への動きが強まります。
世界的に見て価値があると認められる物であれば、仮に日本円の価値が下がったとしても大きな影響が出ない為です。
現に中国人投資家から人気となっている日本のマンションは、デフレ・インフレに拘わらず平均取引額が右肩上がりの状態となっており、デフレ時でも安定した取引量であると言えます。
出典:国土交通省「不動産価格指数」

国土交通省「不動産価格指数」のグラフ

デフレが家賃に及ぼす影響

賃貸物件は、デフレの影響で資産価値が下がってしまった場合でも、時世に応じた適正家賃で貸し出さなければなりません。
近傍物件に比べて家賃が高ければ入居を敬遠されてしまうばかりか、現在入居中の方も離れていってしまいます。
物価下落により家賃相場はどのように変動するのかを実際のデータを基に解説致します。

デフレ時の平均家賃推移

日本では1999年から2005年の7年間連続でデフレが起こっています。この時の家賃相場の推移は以下の通りです。

公益財団法人東日本不動産流通機構「賃貸取引動向」
http://www.reins.or.jp/trend/mw/index.html
公益財団法人東日本不動産流通機構「賃貸取引動向」より出典のグラフ

これは2003年(平成15年)から2012年(平成24年)の10年間の家賃推移になりますが、最も大きく変動しているのはデフレ最期の年である2005年(平成17年)のみであり、前年に至ってはデフレであるのにも拘わらず家賃相場がやや上昇している事が分かります。
また、家賃が大きく変動しているのは主に東京都であり、神奈川県・千葉県・埼玉県ではほぼ影響がありません。
なお、2009年(平成21年)から2012年(平成24年)に於いてもデフレが起こっておりますが、2012年の東京都を除きほぼ横ばいです。

ワンルームマンションの増加も影響

首都圏での平均家賃が右肩下がりである理由として、ワンルームマンションの需要増加が挙げられます。
出典:株式会社価値総合研究所「賃貸住宅市場の実態について」

株式会社価値総合研究所「賃貸住宅市場の実態について」のグラフ

こちらは2009年(平成21年)から2012年(平成24年)のマンション成約件数の推移になります。
3年間で首都圏全域において10%程の上昇となっておりますが、マンションの間取り及び平米数単価は下がっており、ワンルームマンションの需要が上昇している事が分かり、需要は益々増加する事が予想されます。

首都圏では東京都以外が安定

結論から申し上げますと、神奈川県・埼玉県・千葉県ではデフレ時・インフレ時共に家賃相場にほとんど影響が無く、大きな価額変動は見られませんでした。
一方で、東京都はデフレに伴う変動がやや見られますが、これはドーナツ現象(都心部の周りに人が集まる事)による影響の一つであると考えられ、“デフレでお給料が減る⇒より家賃の安い地域へ転居する”という結びつきによるものと推察されます。
より地方都市の需要が上がり・都心部の需要が下がるため、デフレ対策という観点から見ると「超都心」は不向きである事が分かります。

数年単位のデフレなら問題無し

データが示すように、デフレが不動産価値に大きな影響を及ぼす事は無いと考えます。
ただし、5年以上に及ぶ長期のデフレが起こってしまった場合、短期間での価値下落が見られました。
しかしながら下落は一時的なものであり、翌年にはいずれも上昇を見せております。一時的なデフレーションに惑わされず、しっかりと経済状況を見定める事が大切です。

結 論

金利対策には固定金利又はCDS付投資の併用で対策
デフレ対策を睨むなら神奈川・埼玉・千葉がお奨め
デフレ時は金利が下がるためチャンスでもある!