区分所有とは?マンション投資で手堅く副業
区分所有建物とは?

区分所有とは、“建物内で独立性が保たれている箇所を個別に専有する制度”の事で、身近なものだとマンションの一室や集合住宅がこれに当たります。従来のマンションでは、土地や建物へ「持ち分」を設定していたのですが、区分所有法が制定・施行された事で、部屋ごとの権利関係が非常に分かりやすくなりました。なお、不動産投資に於ける「区分所有」は、主にマンションを指す用語として使われています。
所有権とは違う?
所有権と法的な効力はほぼ同じですが、区分所有は簡単に言ってしまうと「土地と建物がセットになっている」という権利です。区分所有法が制定する前は、土地の持ち分10万分の○○、建物の専有部分○○、といった形で個別に登記する必要があったのですが、当該法律が制定された後は、土地の持ち分が「敷地権」と名前を変え、土地の登記をする必要が無くなりました。ただし、築年数がマンションの場合、今もなお「持ち分」という形で権利設定がなされているものも存在します。
特に気にしなくてOK
所有権・持ち分・賃借権…
聞いたことが無い様々な法律用語が飛び出しますが、結論から言うとマンションの場合にはこれらの権利は全く気にする必要はありません。基本的に土地と建物はセットですし、法的な効力は全く変わらないためです。また、仮に建物が地震等によって倒壊した場合、建物の権利は消滅してしまいますが、土地については敷地権として残存するため、再建築した際に利用する事が出来ます。(現代に於いてはまず起こり得ませんが…)
マンション投資は堅い?
マンション投資にはいくつかのパターンがあります。大きく分類するとすれば以下の3つが考えられ、それぞれにメリットとデメリットがあります。
①新築を購入する
②中古をそのまま利用する
③中古をリフォームし収益化する
まずは、それぞれの特徴をしっかりと把握しましょう。
新築マンションの特徴
「①新築マンション」は、税金対策として有効、入居者を集めやすいという2点が大きなメリットです。都内・政令指定都市の場合は不動産価額が高いため経費計上出来る金額が大きくなり、毎年の節税効果は高くなります。さらに、鉄筋コンクリート造りの建物の場合は耐用年数が47年と非常に長くなっているため、仮に35年ローンを組んだとしても減価償却費の恩恵をフルに生かす事が可能です。また、新築物件は非常に人気が高いため、築5年程度は安定した収益を見込む事が出来る点も大きな魅力と言えます。一方、購入額が非常に高いため、得られるインカムゲイン(利回り)は②③に比べて低くなります。
将来性なら新築マンション
マンションの寿命は70~80年と言われており、将来的な資産価値を睨むのであれば新築マンションが非常に効果的と言えます。また、少子高齢化の影響により単身世帯が増加する事が見込まれているため、長期に亘った需要が望める点・収益が難しくなった際は自身でも住める、という利点もあります。
中古マンションの特徴
一言で「中古マンション」と言いましても、築年数により大きく異なります。築年数~20年程度の比較的綺麗なマンションであれば「②中古をそのまま利用する」という方法がベターです。既に入居者がいるというケースがある上に、新築に比べて取得価額が低いため、利回りが高くなり易い性質を持っています。一方で、ローンを組んだ年数よりも耐用年数が下回っている場合、耐用年数満了後は減価償却費が安くなっていまい、税金面ではやや不利と言えるでしょう。また、築年数が進めば進むほど、入居者が集まらない上に家賃が低くなっていくので、バランスを見て検討する必要があります。
リノベーションで得られる効果
築年数が高い事を逆手に取った不動産投資もあります。外観はボロボロでも内装が綺麗にリノベーション・リフォームされている物件をご覧になった事はないでしょうか。実は、外装よりも内装を重視する方は意外にも多く、築50年超えのマンションであっても内装が綺麗であれば入居者は集まりやすいのです。初期投資として50~100万円前後掛かってしまいますが、物件の値段が安いので大きな痛手にはならない上、すぐに売却しキャピタルゲイン(売却収益)を得るという手法もあるため、大きな利益を狙う事が可能と言えます。 ただし、
・②以上に税金対策効果が薄い
・銀行も融資に消極的(ローンが通らない)
・自己資金を多めに見る必要がある
・人気のエリア以外では入居者が集まらない
各物件の特徴まとめ
新築 | 中古 | リノベーション | |
---|---|---|---|
利回り | 低 | 高 | 高 |
将来性 | 高 | 中 | 低 |
節税効果 | 高 | 低 | 初年度だけ高 それ以降は低 |
自己資金 | 不要 | 場合によっては必要 | 必要 |
入居率 | 高 | 低 | 高 |
実際マンション投資ってどうなの?

一言で言えば「利回りは低いが堅く収益を得られる」のがマンション投資の特徴です。区分所有建物はアパートとは違って単一の方又は世帯に貸し出すため、不動産投資の中では非常に利益の少ない手法と言えます。その反面で、建物自体が非常に強固であること、単身世帯が増える事でワンルームマンションの需要が拡大する事が予想されること、耐用年数が長いため長期に亘って節税効果が見込める、といった利点があり、不動産投資の中ではダントツで堅い手法であると言えるでしょう。
マンションにもリスクはある?
日本の建築物は非常に高品質であり、その精度・技術は今もなお進化を続けています。 しかしながら、地震大国である日本に於いては倒壊リスク、法制度の不備による問題といったリスクがあるのも現実です。具体的には以下の問題点を挙げる事が出来ます。
違法建築物の存在
もちろんマンションに限った話ではありませんが、マンションは特に違法建築物の温床となっています。某建築士が手掛けたマンションが実は耐震基準を満たしていない事が分かり、入居者への賠償問題にまで発展し、建築士資格を見直すきっかけともなりました。正直申し上げますと当問題に関しては防ぐ手段が希薄となっており、購入後数十年経過してから判明する事も決して珍しくありません。施工した建設会社が信頼出来る会社であるのか、販売元はどこなのか、といった点で判断していくしかないのが現状です。
区分所有建物の建て替え問題
マンションは区分所有者の4/5以上の賛成が無いと建て替えが出来ないため、どんどん老朽化していきます。(区分所有法62条)つまり、仮に50戸マンションであれば40戸以上の入居者の賛成が必要であり、建て替えが決まったとしても負担額は数千万円と、はっきり言ってほぼ不可能に近い要件と言っても過言ではありません。現に、国土交通省のデータによると、平成29年4月1日時点での建替実施準備中のマンションは僅か12棟となっています。 (マンション建替えの実施状況推移)
この問題を受けて、国土交通省では“老朽化マンションへの対策”に乗り出しており、今後はよりスムーズに建て替えが進む事が予想されます。所有者のリスクとしては、①法改正により住みたいのに住めなくなった、②立て替えたいのに決議が進まない、の2パターンが考えられます。築40年超のような築高マンションを検討するのであれば、これらのリスクをしっかりと把握する必要があるでしょう。


この問題を受けて、国土交通省では“老朽化マンションへの対策”に乗り出しており、今後はよりスムーズに建て替えが進む事が予想されます。所有者のリスクとしては、①法改正により住みたいのに住めなくなった、②立て替えたいのに決議が進まない、の2パターンが考えられます。築40年超のような築高マンションを検討するのであれば、これらのリスクをしっかりと把握する必要があるでしょう。
- 結 論
-
マンションは新築と中古で大きく利回りが変わる
将来性と長期運用を考えると築浅or新築
リノベ前提のマンション投資は初年度に大きな節税効果がある