アパート一棟運営は高リスク?メリット・デメリットまとめ

不動産投資の王道とも言える「一棟建てアパート」には、一体どのような特徴があるのでしょうか。利回り・運営する上でのメリット・デメリット、価額相場等についてまとめたページです。

不動産投資の王道!一棟アパートとは

一棟立てアパートの特徴

“管理人さん”“大家さん”“不動産オーナー”と聞くと「アパート」を連想する方も多いのではないでしょうか。不動産投資を検討する際に必ず候補に挙がる「一棟建てアパート」にはどのような特徴があるのでしょうか?メリット・デメリット、価額相場等について解説したいと思います。

アパート運営のメリット

アパート不動産投資には以下のメリットがあります。

とにかく利回りが高い

アパートとワンルームマンションの違いは何と言っても“収益性”にあります。仮に6部屋あるアパートで家賃が7万円の場合、満室時の家賃収入は1月辺り42万円となり、よりスピーディな資産形成が可能です。都内の新築ワンルームマンションでは最終的な利回りは3~5%程度に落ち着きますが、高利回りのアパートの場合は高いもので15%前後にも及びます。

最終的に土地が残る

借地・地上権等、土地の権利にはいくつかの種類がありますが、その多くは「所有権」です。つまり、建物としての役割を終え当該アパートを取り壊したとしても、その土地は所有者の元に残ります。もちろん第三者へ売却しても良いですし、また新たなアパートを建てて老後の資金とする、自宅を建てる等、様々な人生設計を行う事が可能です。なお、既にローンを終えて再度アパート運営を行う場合には、初期費用が建築費のみとなりますので、より大きな利回りを狙う事が出来ます。

アパートローンが使える

不動産投資で「アパート」を選択する方が多くなった事で、専用のローン(アパートローン)をパッケージ商品化する銀行が多くなっています。利用の基準が明確になっている(政令都市から〇時間以内等)ので、通常のローンよりも比較的簡易に融資を受ける事が可能です。

アパート運営のデメリット

一方、アパート運営には以下のデメリットもあります。

入居者が集まり辛い

6戸アパートの入居者募集は、ワンルームワンション1戸に比べて単純計算で6倍の労力を要しますので、安定するまでにはやはり時間が掛かります。また、アパートは築5年目以降から入居者が決まり辛くなっていく傾向が見られるため、収益力は年数を追うごとに低くなってしまうデメリットがあります。なお、一棟借り上げを利用するという手もありますが、都内近郊や政令指定都市近く等の人気区域なら自身で運用した方が最終的な収入は高くなることが多いです。

耐用年数が低い

木造建物の耐用年数は22年です。※減価償却の詳しい解説はこちら(04_01へリンク) 従って、23年目から計上出来る経費が低くなってしまい、利回りは徐々に下がって行ってしまいます。また、22年が経過すると帳簿上の資産価値はゼロになってしまうので、銀行からの新たな借入が受け辛いというデメリットもあります。

管理費が高い

管理会社に管理を委託する場合、原則として報酬は1戸辺り〇円といった方式となりますので、ワンルームマンションや戸建てに比べて維持費が高くなるのが一般的です。状況次第では大きな損をしてしまう可能性がありますので、予めどのくらいの利回りで回せそうなのか、どのくらいの稼働率が見込めるのか(駅や大学が近いため今後も需要が安定している等)をしっかりとシミュレーションするようにしましょう。

メリット・デメリットまとめ
メリット デメリット
利回りが高い
審査が比較的緩い
最終的には「土地」という財産を残せる
稼働率が安定している
マンションに比べ入居者が集まり辛い
新築は稼働までに時間が掛かる
物件そのものの価額が高い
減価償却出来る期間が短いため、最終的に払う税金が高い
戸数が多いため管理費が高い
利回りの低下が激しい

中古アパートを選ぶ基準

中古アパートを選ぶ際のポイント

耐用年数が少ない木造アパートですが、場合によっては大きな利回りを狙う事も可能です。
中古物件を探す際にどのような点に着目すべきなのかについて解説したいと思います。

見るべき点は5つだけ

中古物件を探す際に注意すべきポイントとして以下の5点が挙げられます。

①入居状況はどうなのか
②土地の権利は何か
③修繕の状況
④敷金返還に関する事項
⑤残存年数

入居状況

まず、「入居状況」は非常に重要なポイントです。当然満室が望ましく、初年度から安定した収益を得る事が可能になります。ただし、たまたま満室になっていただけ、という可能性も捨てきれませんので、運営期間の入居状況のデータや推移をしっかりと確認する事をお奨め致します。

土地の権利

土地の権利には“所有権”“地上権”“賃借権”の3つがあります。最も強い“所有権”は、利用している限り未来永劫継続する権利であるため、直接的な財産形成をする事に繋がります。 “地上権”はほぼ所有権に近い性質を持っておりますが、契約期間が設定されているケースがあり、アパートを購入しても土地所有者が契約を更新してくれない等のトラブルになる可能性があります。しっかりと契約期間を確認するようにしましょう。 “賃借権”は、文字通り土地所有者から土地を借りているケースです。賃借権の譲渡には所有者の承諾が必要であるため、オーナーが譲渡に反対すると売却する事が出来ません。過去には、売買契約後に所有権移転を行ったにもかかわらず、土地オーナーの承諾が得られずに塩漬けにされてしまったという例も存在しています。賃借権が設定されている場合には「期間と承諾」についてしっかりと確認しましょう。

修繕の状況

アパートの外装や柱、梁、害虫駆除は施されているか等を確認しましょう。各所の耐用年数が満了しているにも係わらず修繕や補修を行っていないと購入してすぐに大きな修繕費が必要になってしまいますので、必ず「最終修繕の時期」を確認するようにしてください。

敷金について

中古アパートを購入した場合、土地や建物に掛かる様々な権利も購入者へ移転します。敷金は所有者が入居者に対して有する債権ですが、判例では当該権利義務も同時に引き継ぐとされています。つまり、家賃7万円のアパートで2か月分の敷金を預かっている場合、6戸建てで84万円の債務を引き継ぐことになってしまうのです。物件価額が安い場合、まずは敷金がどのくらい残っているのかを確認し、可能であれば預かっている敷金を前オーナーから受け取るようにして下さい。

残存年数

木造建築の建物は耐用年数が22年しかありません。従って、中古で購入する際はほぼ残存年数が無い状態になります。少しでも残存年数が残っている事が望ましいですが、重要度は上記4点に比べると低めです。

以上、上記5点につきましては必ず確認するようにしましょう。

都内or地方どちらにするべき?

では、アパートはどの場所を選ぶべきなのでしょうか?
これに関しては都市部・地方双方にメリットとデメリットがあり、一概には言えません。
自身が目指している不動産投資のスタイルに当てはめ、様々な物件を自身の足で見てみるのが最も確実と言えるでしょう。なお、一般的には都心と地方で以下の通り特徴に差異があります。

都内及び政令指定都市 地方
利回り 低い 高い
入居者 集まりやすい 集まりにくい
管理 しやすい しにくい
税金対策 効果が薄い 効果が高い
民泊利用 効果が薄い 効果が高い
物件価額 高い 低い
将来的な資産価値 高い 低い

将来的な資産価値という意味では都市部が圧勝ですが、利回りは地方部の方が遥かに優れており、入居者が集まるならば地方物件の方が短期間で大きなインカムゲインを得る事が可能です。また、地方物件は民泊利用でも高いパフォーマンスを発揮するため、ハイリスクハイリターンな不動産投資である事が分かります。また、物件価額が低いため、比較的手を出しやすいと言う利点もあります。

根拠をしっかりと探すことが大切

「物件価額が安い」「利回りが高い」「耐用年数が多く残っている」
というだけでは、決してアパートに手を出すべきではないと考えます。
アパートはマンションとは違い、入居者次第で大きく損をする可能性があるためです。
特に新築アパートの場合には“実績”や“推移”がありませんので、近傍の類似物件がどのくらいの稼働率なのかしっかりと調査を行うべきでしょう。
また、「近くに大学があり学生を狙える」「大型商業施設がある」「都市開発が予定されている」という情報も大きなカギとなります。
情報収集はもちろん、自分の足で見て回り最終的な決断を下すよう心がけましょう。

結 論

稼働率次第で大きな収益を得られる
場所よりもとにかく「入居率」が重要!
近傍物件の状況や都市開発の状況をしっかりと調査しましょう