新築・中古のメリット・デメリットは?節税効果でみる不動産投資

節税効果で考えるならば、耐用年数が残っている物件を選ぶべきです。マンションで用いられる「SRC造」「RC造」の違いや耐用年数について解説しつつ、不動産投資に向いているのは中古・新築どちらが良いのかについて考察します。

不動産は新築と中古どちらを選ぶべき?

新築と中古のメリット・デメリット比較

不動産投資は不動産の構造や築年数によって利回り・リスク・特徴が大きく異なりますが、裏を返せば“多くの選択肢がある”という事を意味しており、当投資の面白さでもあります。新築・中古の違いや各々の不動産のメリット・デメリットを把握し、自身に最も合う不動産を見つけてみましょう。まずは不動産の「耐用年数」について解説していきたいと思います。

耐用年数の違い

「耐用年数」とは、文字通り、動産や不動産がどれくらい耐えるかを表わした期間の事で、税法上の減価償却計算の基礎となります。※例えば、100万円で耐用年数5年の物であれば、1年辺り20万円を減価償却費として経費計上出来る計算です。 基本的には不動産もこの耐用年数に基づいて経費計上をしていくのですが、不動産の構造によってその建物の“丈夫さ”は変わりますので、償却する期間もそれに応じて変化します。

居住用の減価償却資産の耐用年数
構造 耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)
鉄筋コンクリート造(RC)
47年
重量鉄骨造 34年
軽量鉄骨造 3mm以上 27年
3mm未満 19年
木造 22年

最も耐用年数が高くなっているのが主に高層マンションで用いられる「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」と呼ばれる構造と、一般的なマンションで用いられる「鉄筋コンクリート造(RC造)」です。最も短い構造が木造で、一般的には“戸建て”や“低層アパート”で採用されている建物構造となっています。

残存期間で大きく変わる

耐用年数は、新築時からカウントし耐用年数が終わる事で帳簿上の価額はゼロ(※実務上は1円)となり、その後は減価償却費の計上が出来なくなります。つまり、同じ価額の不動産があった場合、構造によってキャッシュフローとインカムゲインが大きく異なるのです。

【建物価格5,000万円の減価償却費】
〈木造一戸建ての減価償却費〉
5,000万円÷22年=227万円
〈重量鉄骨造マンションの減価償却費〉
5,000万円÷34年=147万円
〈鉄骨コンクリート造マンションの減価償却費〉
5,000万円÷47年=111万円

上記の通り、1年辺りの減価償却費は木造建物が最も高く、RC造が最も低くなっています。しかし、RC造りの方が「キャッシュフローが残るのか?」と問われると、実はそう単純ではありません。木造物件は、建築費が非常に安く抑えられる事、固定資産税及び都市計画税の税率が低い事、管理費がRC造りに比べて安い、解体が容易である等、後々掛かる諸費用を安く抑えられるという利点があります。一方、RC造の場合、新築物件を35年ローンで償却したとしても、まだ残存年数が12年残っているため、中古物件としての価値が高く、最終的なキャピタルゲインを狙う事が出来るという特徴があります。

残存年数が無い物件

耐用年数が満了した物件でも、減価償却を行う事が可能です。ただし、満了前に比べると計上出来る金額は大きく下がります。

【計算式】法定耐用年数×20%
例)RC造マンションの場合…47年×20%=9.4
⇒取得した不動産は9年で償却する。

つまり、築47年を超えるマンション(RC造り)の場合9年しか減価償却費を計上出来ず、長期保有には不向きである事が分かります。また、不動産の平均築年数が53年と言われておりますので、その後のキャピタルゲインを狙う事も出来ず、収益という側面から見ると新築に比べて分が悪いと言えます。

新築ワンルームはリスクも高い

新築のワンルームは高リスク

会社員で不動産投資を始められる方の多くは“新築ワンルーム”を購入しています。管理が不要で初め易いと営業され、まずは手初めにワンルームから…というパターンです。既に購入してしまった方には大変お伝え辛いのですが、私個人の見解では、新築ワンルームマンションは場合によっては最も利益が上がらない不動産投資と考えています。理由は以下の通りです。

稼働率が高いが利回りが低い

新築ワンルームを狙う場合、そのほとんどは都心部や地方の中心都市になるかと思われます。この場合、好立地+新築という事で入居者に困らない上に銀行からの融資が受けやすいというメリットがあるため、難易度としては非常に低い不動産投資と言えます。しかしながら、そもそも都心部のワンルームマンションを3,500万円で購入し月9万円の家賃で貸し出したとしても、その利回りは表面で僅か3%程度であり、管理費や税金を考えると赤字になる可能性もあります。つまり、キャッシュフローが出辛く、税金対策としては優れていますが、投資商品としてはリスクが高いと考えます。

多くのデベロッパーが絡んでいる

新築ワンルームで利益が出辛い理由として「物件価格が高額」「多くの不動産屋が絡んでいる」事が挙げられます。新築ワンルームマンションの販売には多くの営業会社や不動産会社・不動産投資会社が絡み合いますので、紹介手数料や仲介料が上乗せされているケースが多く、最終的なしわ寄せは購入者が受ける事となってしまいます。また、物件価格が高いという事はそれだけ属性の高い購入者を探さなければならないという事になりますから、必然的にローンの通り易い会社員の方にたくさんの営業を掛けざるを得ず、営業費用も掛かります。つまり、新築ワンルームというだけで、他の物件よりも割高なケースが多いのです。

不動産投資会社選びが重要

不動産投資会社の中には自社でマンションを建築し、分譲販売するという手法があります。この場合、デベロッパーや営業代行を挟まずに自社で購入者を募るため、割高になり辛いというメリットがあります。また、多くの物件を保有している“大手不動産投資会社”は、原則として薄利多売の営業手法を採っている事が多いです。理由としては、多くの不動産を抱えているため、出来るだけ早く売ってしまわないと利益が出ない事(税金や管理費)、比較的安く売ってしまっても今後の管理費等により収益が得られるという算段があるためです。また、中間省略登記等によって登録免許税を安く抑える事が出来るので、出来れば多くの仲介業者は挟まず、信頼出来る不動産投資会社から直接購入してしまった方が良いでしょう。

中古不動産のメリット・デメリット

中古物件は利回りが非常に高い反面で、耐用年数が残り僅か若しくは満了している場合が多く、高額な税金が掛かってしまいます。また、このような不動産は帳簿上の価値が著しく低いため、銀行からの融資が受け辛く、良い条件で借入を行えない可能性も高いです。しかしながら、中古物件(特にアパート)は、実は最も低予算で始められる不動産投資となっており、上手く行けば多くのキャッシュフローを得る事も可能となっています。中古不動産のメリットとデメリットについて解説します。

安価で始められる

地方の中古アパートや戸建ては安いものだと数百万円という比較的低価額で売りに出されています。中古アパートや戸建ては利回りが非常に高い(例:1,000万円で買った物件を12万円で貸し出せば利回りは12%)点が特徴であり、上手く入居者を確保する事が出来れば多くの収益を得る事が出来ます。ただし、過疎化が進む地方の場合、入居者そのものが少ないため、高い空室リスクを負う事になります。

リフォームしてキャピタルを得る

一時期流行った「ボロ家投資」がこれに当たります。地方のアパートや戸建てを安価で買取り、自分若しくはコネクションを使ってリフォーム・イノベーションし、数百万円のキャピタルゲインを得る不動産投資方法です。上手く行けば短期間で多くのキャッシュを得る事が可能ですが、セルフリフォーム又は業者の手配までを自身が行わなければならないため、非常に難易度が高いと言えるでしょう。

建て替えで新築化

木造戸建てやアパートの利点として「建築費が安い事」が挙げられます。つまり、“土地+建物を購入し、最終的に建て替える”という出口戦略が立てられるのも中古物件の強みです。また、ある程度広い土地を利用出来るのであれば、グループホームやデイサービスの施設といった“各々の時代の流れに沿った収益物件”でスパンの短いキャピタルゲインを狙うのも一つの手です。選択肢の多さでは「中古>新築」と言えるでしょう。

物件別特徴まとめ
利回り リスク 初期投資 税金対策
新築ワンルーム
新築アパート
中古アパート
中古戸建て
結 論

新築ワンルームは利回りが低いが将来売りやすい
アパートは新築・中古共に低リスク!
中古戸建は利回りが高いが難易度も高め