今後需要が上がる?シェアハウス&グループホーム不動産投資

入居審査に通らない方向けに、家賃が安いシェアハウスを紹介しサポートする政策が進んでいます。国土交通省では、“セーフティネット住宅”というサービスを開始しており、今後益々需要が増える事が見込まれています。

シェアハウスは儲かる?

シェアハウスを他楽しむ若者

一つ屋根の下で恋愛や共同生活を繰り広げる大人気バラエティ番組「テラスハウス」の影響により、共同居住型賃貸住宅(シェアハウス)が若者の間で大流行しています。アメリカでは一般的な家屋の賃貸方法ですが、古くからプライベート空間を重視する日本に於いて今度どのくらいの需要が見込めるのか、想定される利回り、抱える問題点等について解説して行きたいと思います。

賃料は割安

シェアハウスは、リビング・トイレ・キッチン・バスルーム等を共用スペースとし、自身の部屋を専有空間とした構造になっています。1つの物件で4~8人程の入居者が見込めるので、アパートやマンションに比べて収益性が高いように感じてしまいますが、賃貸物件の賃料は専有面積に応じて設定しているため、1人当たりの家賃は実は割安になっているのが現実です。“安く借りられる”というのがシェアハウスのコンセプトであるため当然と言えば当然なのですが、大きく儲かるというセールスポイントとはやや乖離が見られるという印象を持たざるを得ません。しかしながら、満室時で同㎡数物件の約1.5倍程度の収益を見込めるため、稼働率80%以上で運用出来ればマンションと同等以上のインカムゲインを得る事が可能です。

想定される利回り

仮に、以下の物件をシェアハウスとして運用したと考えます。
築年数 20年
間取り 3LDK
購入価格 3,000万円
エリア 都内近郊

家賃13万円が相場の物件だとすると、通常の貸し出しでも利回り5.2%程度を見込む事が可能ですが、ファミリータイプの物件は需要が低いため、実質的な利回りは上手く行っても2%前後となってしまいます。仮に家賃を65,000円に設定しシェアハウスとして運用した場合、利回りは7.8%となり、通常で貸し出すよりも高い収益が期待出来ます。また、シェアハウスは入居率が非常に高いので、需要が低く成りがちなファミリータイプの弱点をカバーしている運用方法とも言えるでしょう。

入居者同士のトラブルが絶えない

シェアハウスは第三者との共同生活を行う住居であるため、当然ながら価値観や文化の違いから“入居者同士が揉めてしまう”というケースがあります。共有スペースを綺麗に使ってくれない、ルールを守らないといった規則違反から、物やお金が盗まれる、暴力を振るわれたといった刑事事件レベルでのトラブルもあり、管理は非常に大変です。

国土交通省はシェアハウスを後押し

衣食住の一角を担う“家”ですが、高齢者や貧困層は入居審査に通らない、家賃が高くて住めないという問題がありました。シェアハウスでは比較的安く家を借りる事が出来るので、居住への可能性や選択肢が広がり、今まで住まいが見つからなかった方のセーフティネットとしての役割を担うものとして国土交通省では独自のガイドブックを作成しています。

国土交通省「共同居住型賃貸住宅の運営管理ガイドブック」
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000055.html

「人のため」という側面から投資が行えるのも、シェアハウスの魅力の一つと言えるでしょう。

物件数は年々増加

「テラスハウス」がブームになった事で、シェアハウスは爆発的な需要を生み出し、不動産会社は挙ってシェアハウスの建設に乗り出しました。正確な物件数の発表はありませんが、全国のシェアハウス数は2008年に把握されていた約5,000戸から4倍以上の20,000戸に上ると見られています。ブームに陰りが見え始めたのは否めませんが、国土交通省が期待している通り今後は貧困層やシニア層が入居可能な“セーフティネット住宅 ”としての需要が高まっていく事が予想されます。さらに、少子高齢化の影響を受けて、グループホームやデイサービスとしての活用も望めるため、今後も高い需要が見込める物件と言えるでしょう。

シェアハウスの問題点

シェアハウスの意外な盲点3つ

日本の狭い土地を有効活用出来るシェアハウスですが、多くの問題も抱えています。貧困層・シニア層が若者中心のシェアハウスにはやはり入居し辛いという現状の他、悪質な営業を行う不動産投資会社の存在、違法な運営を行う悪徳業者の存在など、様々です。制度上の問題点から実際の事例までをまとめました。

ひとり親では入居が厳しい

小さなお子様を抱えるひとり親世帯の場合、多くの人間と共同生活を行うシェアハウスはマッチしません。子供の事でトラブルになった、いじめられた、子供と暮らすには狭すぎるといった問題があり、貧困層のセーフティネットとしての理想とは大きくかけ離れた実体があります。

違法貸しルーム問題

シェアハウスと謳いながら実際は1畳程度のスペースしか無く、隣の部屋との壁が簡易な木材であったり、若しくは仕切り自体が無かったりといった“違法貸しルーム”が問題になりました。これらは建築基準法で定める耐火性や耐震性を備えていない為、火事や地震等の際に多くの犠牲者が出る可能性があるとして、国土交通省では違法物件の摘発に乗り出しています。

国土交通省「違法貸しルームの実態」
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000052.html

中古物件を購入する際は違法建築物で無いか、防火の基準を満たしているのか等をしっかりと確認するようにしましょう。

一括借り上げの問題点

シェアハウスの多くは「一括借り上げ」により、安定した家賃収入が得られる点をアピールしています。しかしながら、人気のシェアハウスであっても立地の悪い場所にばかり建てては稼働率が上がる訳も無く、実際に破綻に追い込まれるオーナーも多く存在しているのが現実です。2018年に経営破綻したスマートデイズ社は、“女性向けのシェアハウス”をコンセプトに共同住宅用の建物を700人余りに販売しましたが、家賃を保証するという言葉とは裏腹に、収益が得られなくなったら問答無用で家賃の減額請求を行う、入居者の職業を斡旋し紹介料を得る、建築会社からキックバックを受取るといった正にやりたい放題の手口が発覚しました。

不動産投資会社だけに頼らず、近傍のシェアハウスの入居状況や稼働率を上げるための研究を行う事、ターゲット層をしっかりと定める事等が大切です。

結 論

利回りが高いため、上手く行けば高収益を狙える
物件の見定めが非常に難しいが将来性は◎
一括借り上げで破綻した会社もあり、不動産投資会社選びが重要となる